通りすがりのいがぐり

ナイブズ・アウト:グラス・オニオンの通りすがりのいがぐりのレビュー・感想・評価

5.0
新たな事件 新しい楽しさ

「NETFLIXが金額を提示してきた。今回限りのオファーだ、受けるなら今だよ」
こんなセリフがあった前作。まさかこれが現実になろうとは当時の観客は思わなかっただろう。もしかして変に豪華になってるだけなのでは?という不安を抱いてはいたが、そんな不安はすぐに消し飛んだ。豪華絢爛さを見せつけながら前作と全く違う楽しい楽しいミステリーに仕上がっていたからだ。

前作同様、名探偵ブノワ・ブランが再び厄介な事件が巻き起こる。今度のメンツも超豪華。億万長者のエドワード・ノートンにストリーマーのデイヴ・バウティスタに州知事のキャスリン・ハーンをはじめ素敵な俳優陣が喜怒哀楽を出しまくるのだが、前作よりもかなり意外な隠し玉もあるのでそこは是非ご自身の目で確かめてもらいたい。ストーリー展開も前作のテンポがさらに良くなった。そのお陰で139分間集中力を切らさせぬよう楽しさと緊迫感の強弱をつけてる展開も見せてくれるライアン・ジョンソンは、間違いなく楽しませ方が上手い監督である事を実感させられる。(間違いなくスターウォーズ以外にももっと力入れたらきっと凄い作品撮るよ)肝となるストーリーも予告編では見事隠されてるためここでの言及は避けておくが、「なるほどそうする事でそう展開させるのか」とこれまた面白くてしょうがない。"映画に振り回される"という快楽をここまで味わえる映画をまさかネットフリックスで観れるとはなんと幸せなのだろうか。

振り回される快感と掟破り上等なクライマックスまで息もつけないサスペンスドラマの応酬。今作を境にこのシリーズが素晴らしいモノとなる予感を抱かせてくれる最高の続編此処にあり。皆さんどうか本編公開まで今しばらくお待ちを。きっとこのミステリーは貴方の事を心から楽しませてくれる事でしょう。