タミキーリ

フィオーリ、フィオーリ、フィオーリ!のタミキーリのレビュー・感想・評価

3.5
昨年の5月初旬、コロナ禍でのロックダウンを行ったイタリアで、グァダニーノが故郷シチリアへiPhoneとiPadで撮影したミニドキュメンタリー。友人たちを訪ね歩くのだが、内容よりも感染防止対策がおろそかでそっちが気になって・・。
車内でマスクを外して対面で話したり、基本ほぼノーマスクでウロウロ。オペラの劇場、「ゴッドファーザーPARTⅢ」で使われたところかな。
こんなドキュメンタリーを観てもやっぱりグァダニーノは好きじゃないな・・・。でも、「サスペリア」(2018)の脚本家デヴィッド・カイガニックが最後の方オンラインで語っていた話はとても良かった。

森が健やかでいるためには、周期が来れば焼き払う必要がある
世界の現状への暗喩だ
ある見方をすれば破壊されているが
別の見方をすればそういうサイクルだという事
自然が発作を起こしその自律神経が異常を訴えている
そこには癒しもあるけれど不穏な何かもある
如何に君が世界にとって癒しであるか
それによって自己の脅威となるか調和できるかが分かる
アイデンティティーの問題だ
自分の心を整え自尊心をもって鏡と向き合えるか
その心の豊かさは誰にでもある訳ではない
向き合えば孤独が魂に良い働きをもたらす
向き合えないなら・・・周りがカオスになるだろう
君が見ているのは長年かけて引いた君と他者との境界線だ
他者ことが今役に立つはずだ

デヴィッド・カイガニック