｢罪を犯した者は悪人で、世間から疎まれる存在であるのか｣
保護観察対象である工藤誠を演じた森田剛さんの演技は、その答えを体現していたと思います。世間から距離を置き、存在を消しているかのようにひっそりと生きる。それでも保護司である阿川に少しずつ自分を見せていく。子供時代を思い出しながら話すシーンは、自分の記憶を辿るような視線と表情。繊細な演技が素晴らしかった。
ドラマ第1話と原作1巻を読んでからの鑑賞でしたが、映画だけでもドラマの途中で映画を観ても自然に話に入っていけるようなつくりだったと思います。
現実と地続きであるような、痛みと体温がある作品でした。
