エマ

ディア・エヴァン・ハンセンのエマのレビュー・感想・評価

3.8
少し突っかかりの残るこの感じ、チョボスキー監督みを感じた。原作はチョボスキー監督が作ったわけじゃなさそうだけど。

同監督の「ウォールフラワー」も中々引っかかる部分はあるものの大好きな作品。
この作品に関しては…何回も観たいとはならなかったなぁ。感動はしました。

しかしどうしても自分の中の倫理観が邪魔をして集中できなかった。
「関係の無い死者の声を代弁する」ことから展開するミュージカル映画って目新しすぎて…。
あとミュージカル映画において「ここは歌ってますよ」というのと「ここは歌ってるけど喋ってる体ですよ」というのはしっかり分ける必要があると思うんだけど少し不明瞭なのが気になった。特に舞台でのシーン、めちゃくちゃ歌ってるのがスマホで撮影されてアップロードされてたけど、なんかなぁ…。スマホにも歌ってるように撮られてるわけだし…。変な気持ちになった。

孤独において「気付かれない存在」に着目して物語を作ったのはとても良い。
一見明るい人でも暗い部分に「気付かれていない」というのが弱対称的でメッセージがしっかり入ってくる。
そして「嘘」と「真実」の対称性。嘘によって生まれたものが、真実によって壊れてゆく。そして真実からまた新しいものが生まれる。

エヴァンがゾーイと結ばれるみたいな奇妙なエンディングにならなくて良かったマジで。
曲はほぼ全部好き。メロディがとても良い、歌うま過ぎるし。
最後の「Little closer」は劇場版オリジナルらしく、「いやこれ無いと映画成り立たないでしょ!?」ってくらい溶け込んでた。めちゃくちゃ良い。救いを感じた。
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