福福吉吉

ヘルボーイ/ゴールデン・アーミーの福福吉吉のレビュー・感想・評価

4.0
◆あらすじ◆
ヘルボーイは仲間たちと共に超常現象捜査防衛局で魔物退治を続けていたが、恋人のリズとの関係が今ひとつ上手くいっていないと感じていた。一方、エルフの王子のヌアダは地球上での人間の横暴に怒り、かつて戦争で猛威を振るった不死身のゴールデンアーミーを蘇らせ、人類を殲滅しようと動き始める。

◆感想◆
前作「ヘルボーイ」(2004年製作)の続編となります。前作を観た方がより楽しめると思います。

古き時代、人類とエルフの戦争でエルフが用いたゴールデンアーミーを巡り、現代でヘルボーイたちとヌアダの軍団の戦いを描いており、人類とエルフの戦争についてもしっかり分かるようになっていて、とても観やすかったです。そして、その戦いとともにヘルボーイ(ロン・パールマン)とリズ(セルマ・ブレア)の関係の深まりや仲間の半魚人エイブ・サピエン(ダグ・ジョーンズ)の恋物語など登場人物たちの心情が上手く伝わるように描かれており、観ていて楽しかったです。

エルフの若き王子のヌアダ(ルーク・ゴス)は地球を破壊し続ける人類に怒りを覚えており、父がかつての戦争で人類を滅ぼさなかったことを誤りだと思っています。このあたりの設定はありがちですが、観ている側にうまく引っかかり少なからず罪悪感を覚えるところになっていて、一概に「悪」と断じることができないキャラクターになっていました。外見はかなりスマートですが戦闘能力は高く、ヘルボーイとも互角以上に戦います。アクロバティックでスピード感のある戦いぶりは見応えがありました。

一方、ヌアダの双子の妹のヌアラ(アンナ・ウォルトン)は兄が人類を滅ぼすことを止めようと動きます。彼女とヌアダは感覚を共有しており、一方が知ったことは自然にもう一方も知ることができます。この設定が本作のストーリーを上手く捻っていて面白かったと思います。ヌアラの純粋さ・可憐さにエイブは初めて恋という感情を持ちます。この辺りも人間臭くて良かった。

ヘルボーイとリズの仲は本作ではかなり進んだものになっていて驚きました。恋愛関係が続いて欲しいとは思っていたけど、そこまで行くかと思いました。ヘルボーイは相変わらず純粋で応援したくなるキャラクターでした。

本作での新しい仲間の煙人間のヨハン・クラウスは性格が極端で上司面しており、ヘルボーイにも服従を求めますが、予想どおりヘルボーイは服従しません。このやりとりも面白いです。

前作でも挙げましたが、やはり映像面のクオリティが高く、観ていてとても楽しいです。世界観やデザインに一貫性があってそれをしっかり描き切っているところが良かったと思います。

本作もかなり面白かったです。

鑑賞日:2023年9月4日
鑑賞方法:DVD
福福吉吉

福福吉吉