yona

グリンチのyonaのレビュー・感想・評価

グリンチ(2000年製作の映画)
-
アニメ版を観に行くつもりなので、その前に観ておかなきゃ!と思って借りてきた

まず、全編通して雰囲気が超好み
ファッション、ヘアスタイル、インテリア、街並み、プレゼントの包装からシーンの切り替わり方まで、終始かわいい、、、
これだけかわいい世界観の村に訪れるクリスマスが素敵でないわけがない
アニメ版も予告でちらっと見た世界観は好みだったから、そこが実写版からきちんと受け継がれてるといいなあ

ただ、一見そんなかわいらしい娯楽映画かと思いきや、グリンチの過去のストーリーが絡むことで、クリスマスって楽しい!だけじゃ終わらない
全身グリーンで毛が生えててみんなと違うからっていじめられたことで、クリスマスを嫌いになり洞窟にひとり閉じこもってしまったグリンチ
みんながグリンチを怖がってるけど、そういう存在を生んだのは人間たち自身の言動が原因で、人間たちへの恨みから生まれてしまった グリンチ という存在が不憫に思えて仕方ない ( 日本の昔話で言えば 鬼 という存在にも似ているような )
どこの集団においても、異端の排除は起こってしまうものなのかと
いじめっ子だった村長がさも良い人かのように振る舞うのも腹立たしい カミソリ贈るシーンなんか、グリンチよりよっぽど意地悪だもんね 人間の底意地の悪さを見た気分
アメリカ映画において、タクシーを止めて「肌の色で乗車拒否か?」なんて台詞手放しに笑って観れるもんじゃない。笑

グリンチがクリスマスの意味に気付いてちっぽけだったハートが大きくなるシーンも、結局山の上でひとりぼっちだったことにも違和感があった

だからこそ、シンディールーの周りの大人よりよっぽど大人びた考えと思いやりをもっていて優しい所がスッと胸に入ってきて心を暖めてくれる
我が子にはこんな娘になってほしいと思う

期待していた、クリスマスが最高にハッピーでキュートなイベントだっていうメッセージは、序盤のフーヴィルの浮かれ具合で充分伝わった
冒頭で「植樹祭や復活祭、バレンタインデーも嬉しい でもフーの誰もが知っている 彼らが待ち望むのはクリスマス」って言ってたけど、このナレーションにもそれが表れてて好きだと思った

でも、それよりもっと奥深くて考えさせられるメッセージがちゃんとあって( ちょっと腑に落ちない部分はあったんだけど ) ただの娯楽作品で終わらずに観てよかったと思える一本だった!アニメ版楽しみにしとこっと!
yona

yona