スタイリッシュオニヤンマ

スパゲティコード・ラブのスタイリッシュオニヤンマのレビュー・感想・評価

スパゲティコード・ラブ(2021年製作の映画)
3.0
自分、地方出身の田舎者なんで、東京に生きる若者の夢とか恋とか人生とか、そんなキラキラした映画を期待して映画館に行ったら、こりゃねえっすよ!

登場人物13人もいるのにみんな、うっすら不幸なんす…東京ってそういう街なんすか。都民共済の加入条件に「うっすら不幸」とか書いてあるんすか。

なんか、
不幸&生きづらさを描く=現代のリアル
みたいな風潮どうなんすかね。
パパ活、デリバリー配達員、アイドル、SNSでの空虚な繋がり…っていう現代的エレメントも、とりあえず企画を映画化するために盛り込んだ感じしちゃったんすけど田舎者のくせにエレメントとか言ってすみません。

で、みんな悩んでるんすけど、
SNSでフォロワーがいても本当の友達はいなくて、彼氏がいても本音隠してパパ活して、天才クリエイターには虚勢を張る事情があって…
既視感のある葛藤と焦燥が最新のコンドームみたいな薄さで語られてくんで、眼に入れるドリエルみたいにスクリーン観ながら安眠出来るはずが映像は小綺麗なんで最後まで観れちゃうんすよ。そこはマジでさすがっす。
ただ、カメラマンと家出少女がぶつかる場面での、両親の夫婦喧嘩を見つめる幼子の目線みたいな謎のローアングルは謎のままっす。あそこはちゃんと芝居つけて欲しかったっすね。

あと、前半でモノローグ乱発してたんすけど、画作りにこだわりある監督だと思うんで、心情は映像で伝えて欲しかったっす。虚無感抱えた若者の心の声って、アイドルの恋人いない発言くらい陳腐に響くので!

満島ひかりさんが深海に潜むウミヘビみたいな柄の服着てたのも謎のままっす。
ゆりやんさんの台詞は素敵でした!