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梅切らぬバカのMeeのレビュー・感想・評価

梅切らぬバカ(2021年製作の映画)
3.5
短い映画なのは知っていたが、え?ここで終わる??な感じだった。監督が何を持って見せ場としていたか、まだ分からず、他の人の解釈も知りたい。
塚地さんも素晴らしいけど、加賀まり子さんの強さと優しさ、素晴らしいものがあった。
伝わってきた意図としては、障碍者生活援助は地域住民に理解されにくい、でも、そんな中で塚地演じる忠さんはとても優しくて、可愛くて、素直な人。決して悪気がある訳じゃない、彼なりの普通の生活を生きてる。ゴミ分別に長ける忠さん、お母さんが大好きな忠さん、馬が死ぬほど好きなのに、迷惑かけたくないから自制する忠さん…自閉症だって、心はあるんだ!ってよく分かった。最後みんな揃って晩餐をして、お父さんと忠さんが乾杯する場面で、ないてしまった。あと一つ二つエピソードあれば深い感動と理解になったけど、現実的にはこの生活は毎日の積み重ね…大円団もないのかなーって感じた。
題名にかかってる。梅切らぬバカ。しっかり剪定をしないと良い実が育たない、と。でも、剪定もせず、忠さんちの木は梅がなったし、風にのって花粉も飛んできた。
これは社会への暗喩。地域住民が障碍者の生活援助を排除しようとすることが剪定、でも、剪定をせず、障碍があろうとなかろうと自由に枝を伸ばす社会にも、きっと梅の実はなるんだよっていう投げかけなんだろうと感じた。そしてその大切な梅の実は、お隣さんちとの交流という形で実ったのだと思った。
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