よかった。77分とかなり短いけど、物足りないところもなく自分にはちょうどよかった。
画面のトーンがとても明るくあたたかいのが印象的。これは監督の目線なのかもしれない。エピソードの中にはかなり辛いものもあるので、暖色系で包み込むような画面で救われたところもあった。
ポニーの顛末は、大好きな映画「シベールの日曜日」を思い出した。当人たちは幸せにやってるのに、周囲の無理解が二人を追い詰める。この映画はそんな結末になってなくてよかった。
心優しき植木屋さんは、わざとチョイチョイとしか剪定をしない。彼も“梅切らぬバカ”を地域で静かに支える一人。
この映画を見たからって、世間の人の態度が急に変わるとは思えない。でも「危ないから梅の枝を切り落とせ!」と主張するのではなく、人それぞれのやり方で梅の枝をよけて通ることはできる。理解してやる、という態度ではなく、我々一人一人が梅の枝を「在るもの」として、日々共に暮らすことができますように。