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扉を閉めた女教師のFancyDressのレビュー・感想・評価

扉を閉めた女教師(2021年製作の映画)
2.0
元々、エロVシネとして企画された本作だが、ポレポレ東中野でおこなわれた、城定秀夫の特集上映「梅雨の城定祭り2021 inポレポレ東中野」での上映が好評だったため、『欲しがり奈々ちゃん ひとくち、ちょうだい 』と一緒に全国順次劇場公開された為、ソフトとしての販売は延期となったという作品(一般作『アルプススタンドのはしの方』のヒットにより、城定監督の知名度が一気に上がったことも大いに影響しているのだろうとも思われる。)。

本作は城定監督自ら脚本も書いている。

ある高校の女教師(過去に教え子の親と関係を持ったり、現在は同じ高校に勤務する妻子持ちの男性教師と不倫しているという設定。)に恋心を抱いている男子生徒。

ひょんなことから、夏休みが始まる前日に学校の体育倉庫に、女教師と男子生徒が閉じ込められてしまい、、、。

まあ、話はエロVシネには、良くある話であり真新しさはないのだが、見せ方を少し凝った見せ方にしている(時間の反復など。)。

城定監督の数ある作品群の中では、本作は、中の下くらいだと思う。

ただ、同時期に発表した『欲しがり奈々ちゃん ひとくち、ちょうだい 』よりはよかったかな。

しかし、飯島大介が演じた耳の遠い用務員のおじさんの設定が納得いかない。

間近でドアをガンガン叩いているのに、全く聞こえていないなんていう設定には無理がある。

本当のつんぼならありえるが、少し耳が遠いという設定だと、あのドアを叩いている音が全く聞こえないというのには、納得できない。

小さな嘘を観客に納得させるのが、劇映画であると思う。という観点からいえば、本作は駄作である。

p.s.
同じく『欲しがり奈々ちゃん ひとくち、ちょうだい 』にしても、主人公の奈々ちゃんが、幼少期から、他人のものを欲しがる性格という設定はよいし、大人になってからは、妻がいる男を欲しがるという流れもよいのだが、愛した男には、実は妻はいなかったと判明した後も、その男を捨てずに、好きなままでいるという終わり方には無理がある。なぜ、その男だけ、いままでの男とは違うのかというところが、うまく描ききれていないから、私は見ていてダレてしまったのだ。
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