タンタンのアニメ…というと一般的には90年代に作られた、ソビエト、コンゴ、アルファアート以外の全作品をアニメ化したシリーズを連想するが、
こちらは60~70年代に作られた劇場版アニメとの事で、存在自体は知っていたがDVDは廃盤になってるし何も買ってまで観るほどの熱烈なファンでもないし…と思っていたらプライムビデオで配信してる事に気付いた。こういう、ともすればメジャーなシリーズに押されて埋もれかねない作品も配信してくれるのは非常にありがたい。
90年代版は忠実にアニメ化しているが忠実過ぎるが故に今ひとつ平板で面白味に欠けていたが、こちらは最初からぬるぬる動いて面白い。一部ゲストキャラは明らかにエルジェ風の作画でないのはご愛嬌。しかし、エルジェの世界観にカートゥーン顔が出てくると違和感凄まじいな。オリジナルの人物の方は心なしか作画のクオリティが下がっている感もある。ただ滑らかな動きや色使いは今までの映像化作品で一番好き。
オリジナルストーリーだが、欠けた耳やレッドラッカムの宝などを下敷きにしている部分がある。シルダビアやサメマリン号など、読者にはお馴染みの設定が出てくるのも嬉しい所。宿敵ラスタポプロスは1960年代を経て、まるで007のブロフェルドのようになっていてちょっと微笑ましい。基地内にラスタポプロスの®️印が並んでるのダサすぎて笑った。
吹替版の声優は全員90年代版と同じで懐かしい。キャストも大半はお亡くなりになっているので、ご健在の内に収録していてなにより。