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レッド・ロケットのあのレビュー・感想・評価

レッド・ロケット(2021年製作の映画)
4.3
故郷テキサスで落ち目の元ポルノ俳優が女優の逸材を見つけ業界に返り咲こうとする。
主人公が突き抜けて利己的なクズでその場しのぎの言動で周囲を巻き込んで行くのが面白く、必ずしも因果応報とならないところが単純じゃなく良かった。ポスターにも使われてる気持ちよさそうに自転車に乗るシーンなんかは観る前のイメージとは真反対のシチュエーションで思わず笑いそうになった。
かなり暗く危うい設定だが、何故か爽やかで明るい作品に仕上がっている不思議。サイモン・レックス演じる主人公もクズなのに妙に愛嬌があるし、何よりショーン・ベイカー監督の善良じゃない人間を美化せずそのまま魅力的に撮れる手腕が素晴らしいと思った。
他人を利用するだけのマイキーにストロベリーが車の中で「幸せ」と告げるシーンはすごく胸が痛くなった。
あ