GON

お早よう ニューデジタルリマスターのGONのレビュー・感想・評価

4.7
新年あけましておめでとうございます〜
2022年最初に観る映画は小津。新年早々小津。我ながら良いチョイスだ。
そんで味わい深〜いほのぼのした小津映画を期待してたんすよ。そしたらですよ。


ぬぁんじゃこのヘンテコ映画はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ


って思わず叫びそうになったわ!なにコレ!クソガキあるあると田舎あるあるを強烈にぶち込んだ爆笑ヘンテコ映画じゃねーかっ!しかもキャラクターのクセつよすぎ!最高だよ!

親に叱られた時に屁理屈ばっか言って黙りこくるのはもう幼稚園生の時の僕だし、近所で妙な噂立てて近所間の関係悪化させていくのは僕のクソ田舎故郷まんまなんだよ!流石にあそこまで長時間意地張りはしなかったが。

あるあるシーンは漏れなく全部好きなので割愛するけど他に好きなシーンといえば佐田啓二の「それ言わなかったら世の中、味も素っ気も無くなっちゃうんじゃないですかね」「無駄があるから良いんじゃないかな、世の中。ぼくはそう思うな。」って名言のとこかな!このセリフだけでMVPだよ佐田啓二!若干説教臭さもあるけど感動しちゃったんだから見逃すしかない。
あとは三宅邦子&笠智衆宅の廊下にテレビのダンボールが置いてあるシーン。ただのダンボールが映るだけであんなにも多幸感に包まれるとは。

2人が同じタイミングで振り向いたり酒を入れて飲んだりするのはもはや小津の十八番なんだけど、あまりに完璧に整ってるせいでそんなシーンでもやっっぱり鳥肌が立ってしまう。
小津以外の芸術映画を観て改めて気付かされたが、小津映画の当たり前は他監督にとっては神業に等しい領域なんすよね…
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