エビ蔵

健太郎さんのエビ蔵のネタバレレビュー・内容・結末

健太郎さん(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

・趣味・気味・胸糞悪いの三拍子揃ってる。
それを期待して見たので満足できました。
30分で終わるのも良し。

・前半で出てきた色んな違和感が後半で一気に回収されるのが楽しかった。ネットの他の感想を読むと、伏線と回収を理解しきれていない人もいるみたいで、若干見せ方に難があるのかもしれない。俺は気にならなかった。

・ただ俺もわからなかったところあり。
母親の絵と父親の資料を破いたのは健太郎さんなんだろうけど、その動機がわからん。
娘が描いた絵を父母がちゃんと見なかったからそれに対しての怒り?でも健太郎の境遇からして、仮に絵を褒めて楽しそうにしていたら、それはそれで怒るだろうし。
自分の娘と斎藤家の娘を完全に同一視してるのかなあ。
そう考えると、冒頭のパスタ犬食いは「なんでちゃんと食べられないの」とキレられた娘を庇うための行動になるし、最後の笑顔は善意のものなのかな。尋常じゃないほど気持ち悪い笑顔だったけど…。

・不気味なシーンとそうでないシーンを、色彩と音楽を使ってパッキリ分けられてると思う。音楽かなり良かった。中盤の健太郎さんがいなくなった時の軽快なBGMが変に軽くて、ハリボテの幸せ感が上手く出せてるけど意図的な演出なのかな。そのBGMに不気味な音をフェードさせていくのも良かった。

・お父さん役の人、演技が下手かも…。ちょっと鼻についた。あと、作劇上の違和感が結構多かった。お母さんが絵を描いてる時パレットが真っ白だったり、ペラ紙の資料破かれたくらいでリカバリできなくなる仕事ってなんだよ、だったり、ひき逃げされた男が住所書かれたハンカチ握ってたら警察真っ先にそこ行くだろ、だったり。
この辺もっと上手くやれたよな、とは思う。

・大学生の方が監督をしているらしい?ので、是非プロになってまた作品を出してほしいなぁ。
エビ蔵

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