しんや

テン・ゴーカイジャーのしんやのレビュー・感想・評価

テン・ゴーカイジャー(2021年製作の映画)
5.0
完成披露舞台挨拶中継付上映にて。
(その後もおかわりで4回観ました。)

 ハリケンジャーから始まった10years企画。(本編でがっつりコラボしたハリケンジャーの志をゴーカイジャーがここに来て受け継いでいるのも熱い。)
その後、デカレンジャー、ゴーオンジャーと続いて今回で4作目。遂にここまで来たかというのが正しい反応なのかもしれない。
何を隠そう、35番目のスーパー戦隊であり、2011年のヒーローであるゴーカイジャー。彼らが10年の時を経てカムバックすることは、心にくるものがある。(正確には5年前のジュウオウジャーのTVシリーズに全員で客演しているので、5年ぶりの集合と言える。ジュウオウが5年前か…。)

まず最初に語ることとして、レジェンドと後輩戦隊、その他のライダーなど、多くのヒーローと関わってきたゴーカイジャー、今回は10年ぶりの新作として、ゴーカイジャーのためのゴーカイジャーの作品になっている。その点を表すポイントの一つとして挙げられるのが、客演が直近のキラメイジャーのシルバー、宝路の出演のみに留まっていることである。レジェンド戦隊との共演と、ゴーカイジャーのキャラクターの深めることの両方を両立していたTVシリーズ、放送当時の劇場版を踏まえた上で、今回はゴーカイジャー6人のための映画として仕上げていることが改めてよくわかる。
10年も経てば環境や見た目が大きく変わっていることも多く、集まれない戦隊や作品を作るまでに至れない戦隊も多い。そんな中、今をときめく山田裕貴くんや声優として大活躍中の市道さんのスケジュールも抑え、今回の映画を成功させた功績は大きい。何より本人たち、ゴーカイジャーの6人が新作を撮ることを望んでいたこと、そして、ゴーカイジャーの愛するスタッフやファンが大勢いたことが今回、愛に包まれた作品が完成した要因であると思う。

また。今回は客演がほとんどないと前述していたが、今回はゴーカイチェンジを見ることのなかったジュウオウジャー、キュウレンジャー、ルパンレンジャー、パトレンジャー、リュウソウジャー、キラメイジャーのお披露目まで見せている。ゴーカイ以降に戦隊シリーズを見始めた層、ゴーカイを今まで応援してきた層、両方に対して上手に目配せできている点がとてもニクい演出だ。(ラストをルパパトの並びで締めるのがとにかく最高。制作側のわかってます感が異常。観客の観たいものを充分に理解されている。)

10年ぶりの新作ということで言うと制約も多く、主にはセットがないことやロボ戦を見せられないことにある。しかしそれでさえもゴーカイジャーに至ってはうまく使ってしまうのだ。その制約のどちらもをゴーカイガレオンが担っており、脚本と新アイテムとのすり合わせもうまくやってのけている。(確かに観ているとツッコミどころはある。ジョー、ゴーカイガレオンの形見はお前が持ってたんかい!(笑)などなど。しかし、そんなことがどうでもよくなってしまうほどの熱量と勢いがある。)
新アイテムとそれに付随する新装備についてだが、それに関してもシルバーのみだった強化をここにきて5人にあげてしまうなど、誰が予想出来ただろうか。装備の付く箇所がゴーカイオーの各メンバーのロボの位置と同じなのも良い。使いにくそうだろうが、不格好だろうが、10年ぶりに強化フォームをくれたことが大いに意味があるのだ。ゴーカイガレオンの大いなる力はもはや当初の設定をガン無視しているがそんなことももはやどうでもよくなってしまう。

とにかく最高の10周年映画であることに間違いはない。劇場公開してくれて本当にありがとう。Blu-rayも楽しみにしてるよ
しんや

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