福福吉吉

アイス・ロードの福福吉吉のレビュー・感想・評価

アイス・ロード(2021年製作の映画)
3.0
◆あらすじ◆
トラック運転手のマイクとその弟で整備士のガーディはカナダ北部の鉱山の事故で行動に閉じこめられた作業員を救うために、巨大な装置を鉱山まで届ける仕事を請け負う。水面に張った氷の道を走る必要があり、トラック運転手たちは危険な隣り合わせの運転を余儀なくされる。

◆感想◆
限られた時間で鉱山まで氷の道を通って救助の装置を運ぶトラック運転手たちの奮闘とその裏に隠された陰謀を描いた作品となっており、スリリングな展開が楽しめました。

主人公のマイク(リーアム・ニーソン)は特に際立った能力のある人物ではなく、どこにでもいる等身大の男として描かれており、PTSDと失語症を患う弟の面倒に怒ったり、簡単に人に騙されたりといった欠点もあれば、間違いを認めて謝り、弟を大事にしている姿もある極めて人間らしいキャラクターになっていました。肉体的に強いというわけでもなく、人と戦うときも必死さが伝わってきました。

一方、マイクの弟のガーティ(マーカス・トーマス)は腕利きの整備士ですが、前述のとおり失語症のため、人とのコミュニケーションが困難になっています。しかし、彼を観ていると善性がよく出ていて、身振り手振りで必死に相手に伝えようとする姿は心が温かくなりました。本作の一番の癒しになるキャラクターでした。

マイク兄弟と雇い主のジム(ローレンス・フィッシュバーン)、ジムと旧知の女性運転手のタントゥ(アンバー・ミッドサンダー)の3台のトラックで鉱山に向かうのですが、アクシデントだらけで観ていてハラハラするシーンだらけでした。アクシデントが発生する原因が後々、明らかになっていくのですが、トラックが横倒しになったり、前輪が水にハマったりしても少ない人数でしっかり復旧していくので、観ていて感心しました。

ストーリーが中盤になると、裏で糸を引いている人々が明らかになっていき、その妨害工作が激しくなります。アイス・ロードの危険性よりもそちらの方が厳しくなるので、その点は凡庸に感じました。

トラックならではカーアクションやトラブル回避などが面白い作品でした。まずまず楽しめました。しかし、終盤のある出来事が衝撃的で無理に悲劇を作らなくても良かったのではと思いました。

鑑賞日:2024年2月15日
鑑賞方法:CS ムービープラス
(録画日:2023年5月6日)
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