レッドフォードのイメージする古き善きアメリカってこんな感じなんだろうな。
主人公の父親が牧師と言うことで十時の映画祭で最近観たショコラとバペットの晩餐会に少し通じるものがある。この2本は女性映画だけどリバー・ランズ・スルー・イットは男性の少年心をくすぐるんではないかな。
ショコラとバペットにはガチガチに信仰に囚われた人達が登場するけど本作の父親は息子達に厳し過ぎるわけではない。そのせいか息子達、特にブラピ演じる弟のポールはかなりヤンチャ。
父親も母親も息子達を愛して心配もするし躾もするが割と大らかに育ててはいる。
まだあどけなさの残るブラピは天使の如く可愛い。
「あの子は美しかった」とラスト近くで語る父親。
父親含めた家族は彼を天使の様に感じていたのかもしれない。ポールは天からの預かりものだと。
川の流れには逆らえないことを主人公のノーマンも両親も分かっていたのだ。
良い映画だとは思うが終わり近くまで女の私にはそんなにハマらないと感じていた。でも最後の最後でウルッと来た。
父親の四十九日を終えたばかりのツレにはグッと来たんじゃないかな。
アメリカのノスタルジーと少年時代の儚さ。
あれだけヤンチャなポールが都会に出ず故郷のモンタナに留まったのは自分の運命を予感していたからなのか?
ネイティブ・アメリカンの女の子のエピソードがもっとあっても良かったと思う。