よねちゃん

アリスとテレスのまぼろし工場のよねちゃんのレビュー・感想・評価

3.8
試写会にて鑑賞。
岡田麿里監督の脚本・原作だけに期待して観た。本作は、まず脚本の台詞がいい。ストーリー構成もよく、恋愛青春映画にありがちな余計なキラキラ感がなく、落ち着いて観れた。また、MAPPAの映像表現と映像美が素晴らしい。
声優キャストでは、狼のような野生児を演じた久野美咲の多彩な表現力、加えて正宗の叔父時宗を演じた林遣都、正宗の亡き父瀬戸康史の声の表現力に深さと重みが感じられた。
本作では、登場する若者たちの外的世界では閉塞的な世界が広がり、内的世界では失恋という負のエネルギーから抜けられず、殻に閉じこもってしまう。でも、それをバネに内なる世界を打破し、外なる世界も自ら意識を変えることで変化していく。決して、成就した恋だけが変化をもたらすのではないところが良かった。
監督が描いた心的風景が巧みに表現されていた。
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