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ザ・ハーダー・ゼイ・フォール 報復の荒野のShinMakitaのレビュー・感想・評価

1.5
逃走中の銀行強盗を襲ってカネを強奪する悪党ナット・ラブ。彼には酒場を経営する恋人メアリと、狙撃手ピケット、早撃ちの若者ビルという仲間がいた。先日、彼らが強奪したカネが、ある脱獄囚への上納金であることが判明した。脱獄囚の名はルーファス・バック。その昔、ナットの善良な両親を殺害した男で、大強盗団の頭領だった。脱獄したルーファスは、自らが作り上げた黒人町の王となっていた。ナットは復讐を成し遂げるためその町へと向かうのだが…

「ザ・ハーダー・ゼイ・フォール」

以下、ネタバレの荒野。

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同タイトルの映画に「殴られる男」ってのがあります。ボギーの遺作で、ボクシングの八百長の話。もちろん、本作とは無関係。本作はほぼ黒人だけしか出ないブラックスプロイテーション・ウェスタンです。

1990年代に、東京国際映画祭(の一環でやっていた東京ファンタ)で観た「黒豹のバラード」を思い出します。上映後、壇上のマリオ・ヴァンピープルズの父親が何かのゲームでカラーボールを投げ、それをキャッチしたなぁ。どこのジジイだよと当時思ったけど、かなりの大物なんだよね。先日彼の訃報が流れた時も、当時の記憶が蘇りました。

黒人のヒーローガンマンが活躍する黒豹のバラードは衝撃かつフレッシュだったけど、「ザ・ハーダー・ゼイ・フォール」はその遺伝子を継いだ作品。より自由に、より過激になって、マカロニウェスタンの流儀…顔面アップの多用、暴力の過剰さ…を盛り込んだ映画でした。イドリス・エルバの圧倒的存在感のせいだけじゃなく、かなり主人公に華がないのが残念なんだけど、スタイリッシュなのは間違いないのでスクリーンで観て損は無し、です。
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