テレビアニメで活動されておられたいしづか監督のオリジナルの劇場作品、しかも脚本までということで見てみました。演出と作画は非の打ちどころのないものでしたが、物語が厳しかったです。はじめは、脚本家を立てた方がよかったように思います。とりあえず走り、叫び、泣けば青春できるかのような引出しのなさでは、主人公たちの動機付けからカタルシスまで、まったく共感できません。テレビシリーズなら、たとえ取って付けた展開でもしっかり時間をかけてキャラクターを深め、背景を説明して説得力を持たせることができるかと思いますが、劇場作品ではもっとシンプルで明快な構造が必要になると思います。やっぱり日本のアニメの一番の問題は脚本への認識です。
