このレビューはネタバレを含みます
最後の言葉は心の底から本心でしょう。二人は悪くない。自分の苦しみは自分で終わらせるしかない。
絶望の積み重ねによって、生きることに疲れた、苦しみに耐えるのに疲れた、そのリアルな感情は死へ向かわずにいられない。病識を持つとか持たない以前に、自己について考えて、闘いすぎている。
ただ、現実にここまで子どもが追い詰められるような家庭の親たちが、この映画を観たとして何も分からないのではないかと感じた。
父親の「立ち直る」という言葉の残酷さ。
うつがもたらす壮絶な苦しみを誰にも見てもらえず、そこに囚われ続けたまま「立ち直り前を向く」ことを要求される。逃げたい。どこへ?死ぬしかない。