たけちゃんまん

流浪の月のたけちゃんまんのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
2.3
「友達でも恋人でも兄弟でも親子でもない、既存の定義には当てはまらない2人の、特別で美しい関係」とまさに監督が言及していたような物語でした。

『事実と真実の間には、月と地球ほどの隔たりがある』
ここでいう事実とは被害者と誘拐犯の関係性であり、真実とはほど遠い。
そんな周囲との乖離に惑い、さまよいながらさすらう姿を流浪の月と呼ぶのかもしれない。

『パラサイト』クラスの映像美と美しく重い現代クラシック的音楽が主人公たちの美しさ・やりきれなさを際立たせており、150分でも退屈させない。

とはいえ原作に比べると逮捕パートやりょうくんパート等にて粗さが目立っていたように感じたので、先に原作を読んでから鑑賞した方が個人的には楽しめると思います。