千年女優

ARGYLLE/アーガイルの千年女優のレビュー・感想・評価

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)
3.0
スパイ小説シリーズ『アーガイル』で人気を博す女流作家で、次作を書き上げるも母からあと一章足りないと言われて愛猫を連れて帰省することにしたエリー。その道中でスパイを名乗る男エイデンに出会った彼女が、筋書があまりに現実に酷似しているとして襲い来る犯罪組織と対峙して数々の真相に直面する様を描いたアクション映画です。

『キック・アス』『X-MEN』そして『キングスマン』三部作とアメコミ原作映画をスタイリッシュな演出で成功させてきたマシュー・ボーンが新たなスパイ映画ユニバース形成を野望にその第一弾として制作した作品で、Appleをバックにした二億ドルの大予算でトリッキーな物語を展開するも批評家からの評価、興行収入共に伸び悩みました。

卓越した演出センスで盛り上げる一方で作品全体の世界観を子供じみたものにしてしまうボーンの好悪がダイレクトに反映されていて、ツイストを重ねて見せ場を作る作劇はカラフルで沸き立つシーンはあっても中年男女のスパイ「ごっこ」のイタさに気恥ずかしさを覚えることもしばしば。良きにつけ悪しきにつけ「軽さ」が際立つ一作です。
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