プログレ

レリックのプログレのレビュー・感想・評価

レリック(1997年製作の映画)
2.5
【テレビドラマの企画を映画に強引に変えた&途中で予算が尽きた説】
なんとなく制作の裏側が感じ取れてしまう。
偉い人に「ジュラシックパークとXファイル合わせたみたいな映画を撮ってよw」と言われて企画したけど内容に見合う予算を割り振ってもらえず、スタッフ達が出来る範囲でまとめようとして努力したので何とかまとまった、みたいな感じがする映画だった。

具体的には
元々は映画じゃなくてテレビドラマ用の脚本で、
ロケや美術などにプリプロには予算かけたけどそこで金回りが悪くなり、
撮影では予算の制限がきつくポスプロは予算も期間もなかった(画面が異常に暗くてよく見えないのはおそらくこれが原因)、
という印象。

当時の環境を考えると3DCGの方に想定以上の予算を使っちゃった結果、ドラマの部分にしわ寄せが来た可能性が高いのでは?
90~00年代にCGを使った映画ではこれに似てるケースがそこそこあって、
具体的には『インクレディブル・ハルク』や『トランスフォーマー・リベンジ』などがそうなんじゃないかと考えられます
これの最もひどいケースが実写版『デビルマン』。


【良い所】
・標本の作り方がちゃんと調べてあり、それが話に活かしてある
スカラベのような昆虫に骨についた肉を食べさせた後、煮沸できる槽で煮込む。

・台詞がクールなシーンがある
パーティを中止するとどうなるかを「トラウトサーモン350キロを捨てることになるのよ」と館長(パーティを主催)が刑事に皮肉で説明するシーン。

ただ二つとも映画のセリフというよりもテレビドラマのセリフっぽい。
ここも元はテレビドラマ用の脚本だったんじゃないかな?と思うところ。

【悪い所】
・ほとんどのシーンで画面が暗くてよく見えない。顔のアップも多すぎて違和感。
画面が暗くてよく見えないのはCGを何とかする方にコストかけてポスプロをまともにやらなかったからじゃないか?
この顔のアップが多いあたりも、元はテレビドラマのつもりで描いたコンテをそのまま使ったんじゃないかと思ってしまう。

・「プログラムが遺伝子解析の終了を告げる時のSE」が車が急ブレーキをかけて窓が割れたみたいな変な音だが、そのSEに対する説明もリアクションもないので、脚本に活かされていない。
自分がこの音は「プログラムが遺伝子解析の終了を告げる時のSE」だと気付いたのが映画の終盤でした。
元からああいう音で、わかる人にはわかるというネタだったのか?
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