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そんなの気にしないのsonozyのレビュー・感想・評価

そんなの気にしない(2021年製作の映画)
3.5
ヨーロッパ拠点のマイナーなLLCのCAをしているカサンドラ(アデル・エグザルコプロス)の物語。
〈追記〉The Grand Prix of the International Jury(国際審査員団が選出したグランプリ)受賞

フライトを終えると酒、ダンス、ドラッグ、マッチングアプリでの刹那的な関係…
奔放に見えるキャラで、酒臭いまま出社し危うく搭乗不可にされそうになったり、同僚にムダ毛指摘されたり(笑)、エミレーツ(ドバイ)の優雅なCAに憧れたり、日々を過ごしている。

そんな彼女に契約更改の時期が迫りキャリアの選択を迫られる。

チャレンジするものの、諸々上手くいかなくなり、突然実家に戻りしばらく滞在。
父や妹と久々に話し、喪失感とも向き合い直し、新たな一歩を踏み出す。

『アデル、ブルーは熱い色』『ファイブ・デビルズ』のアデル・エグザルコプロスの自然体な演技と、カメラワークで、CAのストレス、孤独、不安など、リアリティが感じられる演出。割と好きです。
Wingエア(もちろん架空)のこの制服もLCCらしくていい感じ。

様々な国に行ける(華やかに見える)仕事とは言え、機内販売の売上プレッシャー、作り笑顔特訓、面倒な客の対応、安定とは無縁の日々...大変なお仕事ですなぁ。

タイトル『Rien à foutre/Zero Fucks Given』は、「まったく気にしない/知ったこっちゃない/どうでもいい」といった意味のようですが、カサンドラのたどり着いた感情かな?

マンハイム・ハイデルベルク国際映画祭: ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー賞最優秀脚本賞
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