折目正しい作品だったな。
結局、自慰行為が最高という、男の袋小路という意味では極めて平凡なことを、
冒頭の殺人シーンにした入れ子構造にして、
奇をてらっていない演出・構成も好感が持てた。
実際にあった事件と、それを起こした少年の手記を元に作った作品。
時代的な農民の息子としての抑圧だったり、親から受けるDVみたいなものが、
突発的ではあったけど自分よりも弱い子供への殺人行為に繋がる構成を
過剰な演出や脚色でなく、実際の手記を元にした最低限の描写で成立させる。
子供時代の母親の冷徹な感じが、具体的なDVシーンとかを描かずに、日常の所作で分かるところが凄い。
初作品でこんな演出ができるなんて、次作が気になる監督ですね。