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最後の決闘裁判のcinemaで逃避のレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.0
これはタフな映画
観終わってドッと疲れが出ます
ただそれは心地良い疲労です

本作は丁寧で重厚な作品で
描写の容赦無さも含めて
完成度の高い作品だと思いました
決闘裁判を学ぶ参考教材になりそう

扱う内容は14世紀フランスの
最後のトライアルバイコンバット
話は重くドロドロしており
3章立てで淡々と進みます
そして153分というボリューム
これだけでタフです

さらにその3章立てというのが
レイプ被害者の夫、レイプ犯、
レイプ被害者それぞれの主観を通して
細部が違うが同じ経緯を辿るため、
どうしても話が同じでシンドイ

そして何よりレイプシーンを
2度もまじまじと観ないといけない
2回目は端折るとかもしないので
かなり精神を削られます

と、色々言いましたが
作品としては鬼気迫る完成度
役者陣の演技は本当に圧巻で
特にジョディカマーは
何かしらの賞は絶対獲るはず
マットデイモンも
アダムドライバーも
主観によるニュアンスの差を
見事に演じていて感動

沈黙する女性という
ステレオタイプへの反抗として
近年のウーマンパワー潮流にも
フィットした意味深い作品でした