死せるお豆腐

最後の決闘裁判の死せるお豆腐のレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.3
三者三様とはまさにこのことで、多少のずれはありつつも事実は確かに三様あった さらに4人目の部外者から見ればそれはまた形の違う事実として映り、ひとつしかないはずの真実へ辿り着くのが困難になってしまう しかし真実だけはひとつだ

出掛けるように命を捧げ、神やら運命やら信仰心に支配された中世の時代に限らず、この物語の論点は現代でも変わらない 神は救済、死は敗北という手法や考え方を除いては、裁かれるべきはいつだって加害者だ それが分かりやすく表現されていた

マルグリットが真実を攻め立てられるシーン、強姦では受胎しないだの夫との性交に歓びはあったかだの、ふざけたことほざくなと、居ても立っても居られなくなった

マルグリットだけが常に忠実で寛容だったし、男らが全部悪い カルージュもル・グリもみんな気持ち悪くて居心地悪かった

決闘を終えた後に見えてくる真実はもうどうしようもなさすぎて苦しい
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