ポール・シュレイダー監督・脚本作品
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マーティン・スコセッシが製作総指揮
激シブ《タクシードライバー》です。
OP…緑のバックに黒い影のあるクレジットフォント…シンプルながら好きなテイスト…するとゆっくりその緑がカードテーブルだとわかります…。
しかしストーリーのメインはギャンブルではなく…アメリカ軍の恥部である捕虜の虐待・拷問問題…2004年アブグレイブ刑務所での実際のイラク人虐待事件の軍事スキャンダルが基になっています…。
カジノを渡り歩くウィリアム・テル(オスカー・アイザック)…彼は米国軍刑務所で10年服役…そこで独学で学んだカード・カウンティングを駆使し、出所後はギャンブルを生業とします…。
『小さく賭けて、小さく勝つ』…これが彼の信条…。
そこには生きがいや喜びはなく…ただ淡々と日常を繰り返すだけ…。
場に出た全てのカードを素早く読み取り、勝率を念入りに計算…説明もありましたが何が何やら꩜ …ひとつ分かったことは自制の効かない人間はギャンブルに手を出してはダメ!!
目立つことを嫌い…日常のルーティンを大事にとても抑制された生活…モーテルでは全ての家具を持参した白い布で覆うイルな一面も見せるテル…。
過去の行為が作った重荷とそのトラウマを抱え込むテル…強迫観念に苛まれしばしば悪夢に悩まされます…。
一体彼の過去に何があったのか…??
そんな時…ふたりの男性と邂逅…。
ひとりはかつてテルの人生を一変させた上官ジョン・ゴード(ウィレム・デフォー)…。
そしてもうひとりはゴードに恨みを抱き、テル同様にかつて軍人だった父を持つカーク(タイ・シェリダン)…。
この運命的な出逢いがテルの心を駆り立て、彼はカードの世界大会に挑むことに…。
冒頭から怪しい陶酔力のあるサントラがめちゃカッコいい…そして映像!! カジノや夜の街はほんのりN.W.レフン監督を感じるネオンカラー…ライトアップされた公園の全貌を俯瞰で捉えたショットは息を呑みます…。
また、超広角レンズを使ったヒエロニムス・ボスを彷彿とする悍ましい地獄絵図…撮影監督はアレクサンダー・ディナン…インプットしました!!
そしてテルを演じるオスカー・アイザックの滲み出る静かな狂気やその眼差しの吸引力がヤバい!! ツーブロックのオールバック…レザージャケットにタイ…絶対イケオジしか似合わないスタイル!!
とても寡黙でストイックだった彼ですが…己の贖罪と正義を貫こうと…あることがキッカケで抑えが効かなくなります…。
まるで…地味ですが洗練された《タクシードライバー》のトラヴィス…。
ラストは洒落たショットに大好きなブレッソン監督のある作品をオマージュ(*゚x゚*)モクヒ…。
エンドロールはよ〰︎く観ると監督の変態性もわかります…(*゚x゚*)モクヒ2…。