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LAMB/ラムのmanacのレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.5
106分中90分くらい退屈です。

人里離れた山の中で羊を育てる夫婦の生活が地味に淡々と描かれている。
セリフも最小限でまるでドキュメンタリーのよう。
ある日羊の出産で何か驚異的なモノが生まれてくるのだが、夫婦はその何かを我が子のように大切に育てる。
何が生まれてきたかは大体お察しなのだが、これもなかなか素直に描写されずに想像はつくけどじれったくてイライラしてしまう。
ようやく正体がわかっても、じらされた割に案の定な結果でむしろガッカリ。
延々と山の中での夫婦の生活ぶりを描写し続け、ようやく夫の弟が登場。この弟がちょっとやんちゃしてた青年がそのまま大人になったようなダメ男で、ここから物語が動き出すのか!と胸をときめかせたのにも関わらず、なんだかんだで弟もその謎の羊の子供と仲良く生活を営む始末。
何を見せられてるんじゃーい!意味深な弟と妻のマリアとの関係もなんか意味あるんかーい!と思い始めたころにようやく物語が動き出します。
でもそれはまさかの衝撃のラスト。ほほー!こういう話だったのか!と驚愕したところでエンドロールです。え?

ショートフィルムにした方が断然面白かったと思う。ラストのオチも衝撃的で良かった。

ただ、妻のマリアはラストの因果関係が不明なまま生涯悲劇の被害者として生きるわけですよね?
そこがちょっと納得いきません。
マリアにはしっかり己の自己中心的で傲慢な人間性が招いた結果だということを自覚し、生涯その罪を背負って生きて行って欲しい。


90分間退屈でしたから、物語の本筋とは関係ない様々ところに目が行ってしまいました。
羊と山羊の違いもよくわからない私、羊をこんなにまじまじと見るのは初めてかもしれない。羊、可愛いやんけ。
キッチンの流しにある蛇口、似たようなものがSHEINで300円くらいで売ってます。これはブラブラしているだけで蛇口の向きや角度を変えて固定できないので不便だと思うのだけれど、蛇口からシンクまでの距離がある場合は水撥ね防止としては役に立つかもしれないということをぼんやり考えていた。
夫婦所有の車は一昔前のランドローバーディスカバリーかな。カーキ色が可愛い。最近のモデルは精悍さに欠けたすっかりファミリーカーなデザインになってしまったけれど、この頃のディスカバリーは精悍さを残しつつも日本の公道を走っていても違和感のない外観で最高にカッコよかった。
最近はあまりランドローバー自体見かけなくなったな。


羊の出産シーンをくどいほどに見せられる。
羊の耳にある認識タグをつけるシーンも出てきて痛々しいったらない。
グロイのが苦手な人にはなかなか直視が難しいでしょう。
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