ドラ焼き

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲のドラ焼きのレビュー・感想・評価

5.0
元号が変わる前日にこの映画はピッタリだと思う。そして私が映画を好きになったきっかけの映画の1つ。
大阪万博・高度経済成長や海外からの様々な物やカルチャー等などで日本が大きく成長した時代、昭和。平成生まれの私でも当時の熱気というものは伝わります。人々が未来に夢を見ていた時代。映画でもこの時代を生きた大人たちが子供に戻ったかのように遊んでいます。当時のヒーローやヒロイン、おもちゃや流行語。そして夕焼けが似合う町。映画内に出てくる色んな物に懐かしいにおいを感じます。あのころはよかった楽しかったと。この時代に生まれていない自分が懐かしく感じる不思議さもこの時代にはあったのかもしれません。
そんな中平成は大不況で始まる。10年経っても不況で夢なんて見る人も少なくなり、どこか冷たく感じる都会。それでも今生きている時代、平成。昭和は戻りたい過去かもしれない。でも平成のこれからに未来があるということを見せつけられました。事実この後にはスマートフォンやSNS等でまた大きく時代が変わっていきました。
映画でとても大切に表現していた家族や子供の夢。中でもひろしの回想やしんのすけのタワーを駆け上がる姿。今でも強く心に残っていて、何度見ても感情を激しく動かされた。私はアニメ史・邦画史ではなく映画史に残るシーンだと確信しています。
平成が終わり、令和が始まる。まだまだ不安定な世の中だし、簡単に夢なんて言えないかもしれない。それでも野原一家の姿を見たら未来に向かって生きていきたいと思う。この先のどんな時代でも、時代が変わるごとに自身の人生が変わるごとにきっと私は何度でも見返していく映画です。
ドラ焼き

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