福福吉吉

息をするようにの福福吉吉のレビュー・感想・評価

息をするように(2021年製作の映画)
3.0
思春期の少年アキ(伊藤万理華)は自分自身のことが不確かで、周りに馴染めない生活を送っていた。そんな中、クラスの人気者のキイタ(小野寺晃良)から声をかけられたことをきっかけに彼と過ごす時間が増えるが、それでもアキはキイタと釣り合わないと思い悩む。

主人公アキは性別を含めて自分が「普通」なのか疑問を常に抱きながら孤独に過ごしている様が描かれており、アキの演者を女性にしているのもその辺りをはっきりさせないようにしているのかな、と思いました。

アキとキイタが近くの距離にいるようになっても人気者のキイタの特別さに一歩下がってしまうアキの心情がうまく伝わってきました。

メッセージとして強いものは無いですが、少年時代の心情の歪さや、性的な興味以前の人との距離感を描いた作品なのかなと思いました。

私としてはすうっと心の中を流れていく作品として良かったと思います。22分という尺だと、かなり極端な描写じゃないとガツンと来る作品にはなりにくいですね。

鑑賞日:2022年11月2日
鑑賞方法:BS/CS 日本映画専門チャンネル
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