半兵衛

痴漢との遭遇の半兵衛のレビュー・感想・評価

痴漢との遭遇(1978年製作の映画)
3.5
タイトルこそ当時大ヒットしていた『未知との遭遇』のパクリだが、内容はワイルダーの『アパートの鍵貸します』のパロディ。エロ映画でワイルダーの世界を再現しようとスタッフの奮闘努力による熱意が感じられ、それなりに面白く仕上がっている(元の映画のカット割をそのまま借用したりしているのには苦笑するけど)。

山本晋也監督のエロとドラマを見事に融合させた演出、いつものおふざけキャラを封印してジャック・レモンに扮する久保新二やシャーリー・マクレーンのキャラを演じる初々しく溌剌とした原悦子も良いけれど、この映画で一番輝いていたのは主人公二人の仲を取り持つ痴漢・たこ八郎。見た目からは想像もできないバイプレーヤーぶりを見せて映画に独自の輝きを加えている。多分ビリー・ワイルダー監督もたこ八郎を見たら一目で気に入っていると思う。

原典通りのエンディングに加え、たこ八郎が粋な配慮を見せるラストも楽しい。

ちなみにDMMもといFANZAでは、山本晋也監督作品がfilmarks未登録作品も含め結構な数が配信されているので見てみるのも面白いかも。
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