演出もアニメーションもずっと楽しかったし、終盤の演出はひときわよかった。
選手たちは、試合のすべての瞬間をその瞬間の中で懸命にプレイしていてよかったし、まあたまに傷害事件だけどまあそういうこともあるよと思うし、そんなところも彼らのひたむきさでよかった。
きっと原作既読だったら、「あのシーンがこんなに美しく再現されて」となって、幸せだったんだと思う。アニメーション本当によかった。ずっと視界が楽しかった。
原作未読なので、ひたすら大人たちが誰も責任取らなくてびっくりした。
大人が不快なことをするシーンが断続的にはさまるので、ずっと不快な気持ちのまま見なければならない。
あんなことされても、リョータは母親に応援されることをあきらめていなくて、涙ぐましすぎる。
母親の八つ当たりにすぎないのに、それにフォローや反省や謝罪もなく、あたかも美談のような成り行きで、リョータがあまりにも哀れ。
母親は、不快ではあるけども「そういう母親」もいるよなと思って、不快ではあるけども受け流せる。
花道が負傷したとき、周りの大人が誰も動かないのもびっくりした。
選手に触れてはいけないルールでもあるのか?(バスケのルールに詳しくないのでもしそうだったら申し訳ない)
どうして最後、花道は試合に出たのかぜんぜん分からない。
足をひねったけどテーピングしたのであと少しなら出られます!というレベルではないんじゃないのか?
本人の言葉はすばらしかったし、応援したかったけど、これが引退試合とか最後の試合というわけでもない高校一年生に、なんでそんな大きすぎるリスクを監督が認めたのか信じられなかった。
監督を良心的な大人だと思って見ていただけにショックだった。
原作ではフォローがあるのかもしれないけど、映画作品として一個体にする以上、「原作ではフォローされてるから……」はナンセンスな言い訳にすぎない。
選手たちはすばらしかった。
こうして彼らは、確実に前進していけるのだと思う。