haizi

硫黄島からの手紙のhaiziのレビュー・感想・評価

硫黄島からの手紙(2006年製作の映画)
3.6
アメリカ人が制作した日本人目線の戦争映画。

私はちょっと日本の戦争映画が苦手。
登場人物に共感できないことが非常に多い。
非国民と云われるかもだけど、武士道とか?大和魂とか?まったく理解できないし、美しいとも思えない。
日本のご先祖様よ、こんな理不尽な事を何故受け入れる?
“お国の為~!!”とか言ってなぜ死ねる?
その“お国”は自分に何をしてくれたの?
もちっと抵抗しとこうよ💢
もちっと怒ってもいいんじゃない?!って思ってしまうのよね。
(まぁ、戦争を経験していないから言える事かもだけど。。。)

だけど本作はそういうフラストレーションもなく共感を持って観賞出来た( ;∀;)

特に、二宮和也演じる西郷とと加瀬亮演じる清水の二人が良かった。
西郷は終始口半開きの仏頂面。
そりゃあそうだよ、戦争だからって憲兵さんにいろいろ奪われて、挙句の果てには勝ち目のない戦場に駆り出されてお国の為に“ばんざーい!!”なんて受け入れられないよ。
パン焼いていたいよ、そりゃあ仏頂面にもなるよ!

清水の最期も人間味があって共感度大!
そりゃあ犬死になんて嫌だよ、結果はあまりに悲しいけど、当然の人間味のある選択だと思う。

こういう悲惨なエピソードを観ると、日本人として米国にムカついたりしそうなものだけど、対を成す作品“父親たちの星条旗”とセットで観ると米国にも悲惨な状況があったことが分かり胸が痛くなる。

本作をアメリカ人のクリント・イーストウッドが監督した事はすごく意義があると思うし、外国人が描く日本って、日本人からすると違和感を感じることが多いけど、本作はその違和感は全く感じなかった。
クリント・イーストウッド監督の戦争の理不尽さと無益さを描いた良作。


やっぱ戦争なんてさ勝っても負けてもたくさん命が失われて、生き残った人たちにも深い傷が残って、なんもいいことないじゃん。
やめようよ、ホントに。。。( ;∀;)
haizi

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