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硫黄島からの手紙のoncochiのレビュー・感想・評価

硫黄島からの手紙(2006年製作の映画)
3.8
自分でも割と趣味は男っぽいかな?と自負してはいるのですが・・・戦争映画は苦手です
しかも今日、終戦記念日に『硫黄島からの手紙』ってのは、ちょっとへヴィだなぁと思ったのですが・・・イーストウッド監督と渡辺謙のタッグなら観ない訳にはいかんでしょう

思ったより暗い映画ではなかったです。いえ・・・暗くない訳じゃないのですが、お涙頂戴モノでもなかったし、悲惨さだけが後味悪く残るのでもなく、どちらかと言えば、淡々と物語が進行していきました。
(その点が『ミリオンダラー・ベイビー』に似てるかも?)
謙さん演ずる栗林中将も良かったですが、二宮和也さんの西郷一等兵に好感度アップ。
実在の人物ではないそうですが、大宮でパン屋を営む若旦那で、運命に敢えて逆らう訳でもなく、かと言って流されるタイプでもなく、結局タイトル通り手紙を後世に遺した人物として映画の中では、最重要人物として描かれています。
(多分、彼は数年後日本本土の土を踏む事も出来たのではないかな?奥さんと娘さんと無事再開出来たらいいのになぁ) そんな風にハッピーエンドではないけれど、ちょっと希望を持たせたラストが印象的でした。

そういや、こないだの北京オリンピックの時に話題になった馬術で、よく名前の出てきたバロン西選手って、この硫黄島で亡くなってた方だったんですね。
反戦など一言も謳ってはいませんが、あの名もなき若い米兵の母親からの手紙で、イーストウッド監督の想いが伝わりました。

手紙だけが唯一の伝達手段だった時代のお話です
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