長かった学生生活が終わる今だからこそ思えるのかもしれないけど、この映画を見てやはり時間は限りがあるから美しい、命は終わりがあるから輝くのだと強く思った。
余命10年は果たして長いのか短いのか。3ヶ月とか1年って言われたら悲しくて悲しくて落ち込んで、やりたいことが山ほどあって時間が足りないと思うけどそれに比べたら10年は悲しむにも残りの人生を楽しむにもあまりに長いと思う。それは本人ではなく家族も友人も恋人も。10年あれば当然新しい出会いがあって、夢ができて、思い出も増えて、生きる理由ばかり見つかってしまう。
死にたかった和人と生きたくて、もういっそのこと死にたいの狭間で揺れてた茉莉が出会って、互いの存在が強く生きたいと願う理由になっていくのが素敵だった。
いつもトイレとかお風呂とか人目につかないとこで1人で泣いてた茉莉がどうしても生きたいってお母さんに泣き縋るシーンは見ててほんとにキツかった。
茉莉は小松菜奈でしかあり得ないくらい本当に良かったのは言うまでもないけど坂口くんも相当良かったと思う。好きなのに進めない関係性のもどかしさとか付き合ってからの茉莉ちゃんすきすきの感じとか病気のこと知ってからの葛藤だったり、全部すごいリアルだった、最後の病室のシーン「がんばったね」連呼で滝涙。
お母さんお父さんお姉ちゃんはもちろん、山田裕貴と奈緒ちゃんもキャストみんな100点だったな。
四季や景色で時の流れを感じさせるのとビデオの映像を通して茉莉の思い出、人生を共有してくれるかんじ藤井監督っぽくて◎
私を含め、この作品を見た多くの人たちが今日を生きてることは当たり前じゃないんだって感じたと思うし、生きる力やパワーをもらったと思う、もしかしたら死にたいって思ってた人がもうちょっと生きてみようかなって思ってくれたかもしれない。人の心にこんなに生きる力を与えることができる「映画」ってやっぱりものすごく素晴らしいものだと再認識した。
今年は桜を見たら茉莉ちゃん、そして小坂流加さんのこと思い出すだろうな