たんぐすてん

余命10年のたんぐすてんのレビュー・感想・評価

余命10年(2022年製作の映画)
4.2
視聴通算241作目 2022/169作目 2022/8/6 DVDレンタル

公開当時話題だったが、後回しにしていたら鑑賞できなかったため、レンタルにて視聴。

難病で死を覚悟した茉莉が人生を歩む過程が描かれていた。

全体的に重たい話だが、明るいところもあり、見ていて気分が落ちることはなかった。
「大丈夫?」と聞かれた際、どこか暗い表情をしながら受け答えする茉莉にずっといただけない感情だった。
そりゃ、大丈夫って言うよ。でも実際、今は大丈夫でも全体的に見たら大丈夫じゃないんだよな。
先生に「特効薬見つかった?私の体、実験台にしていいよ」と話す茉莉。
この言葉に全部詰まっていた。
なんだろう、表せないけど。全部詰まっている気がした。
助からないと知らない友達が同じ境遇の男(実際は友達が同じだと思い込んでいるだけ)を紹介したところは本当にイラついた。でもそれは茉莉の病状を知っているからなんだよな。別に悪意があってやってるわけじゃないし。
終盤で和人が「頑張ったね」と言ったところで、序盤の茉莉の「私も頑張るから」のシーンが想起して大泣きした。
茉莉が自分が歩んでいくはずだった人生を思い描いて目を瞑るところも居た堪れない気持ちだった。

和人が「茉莉のために生きる」と言った後の「同窓会なんて行かなきゃよかった」
この言葉、「茉莉の恋なんてしてる暇ないよ」との対比になっていて映画として作りがとてもうまいと感じた。
2時間とやや短めの映画なのに、何回泣いたか覚えてない。
お恥ずかしながら小松菜奈の映画を初めて見たので、小松菜奈の演技に惚れ込んでしまった。
最近、SNSなどで「死にたい」と言っている人をよく見る。
「死」という言葉が軽んじられている気がしてずっと嫌だった。
今作を見て、「死にたい」と口にする人が少しでも減ったらいいなと感じた。