やきうどん

イノセンツのやきうどんのレビュー・感想・評価

イノセンツ(2021年製作の映画)
3.5
途中までで既に童夢とかAKIRAっぽいなと思ったけど、終盤になってこれ絶対そうだよなと思って、見終わってから調べたらやっぱりだった。
ラストらへんの描写を抜きにしても、序盤に予備知識の無い人間にそう思わせる作品に仕上げたこの監督は凄いし、30年以上前に大友っぽいというジャンルの物を作った大友はやはり凄い。それも本人が作ってなくて影響を与えた後進の作品でそれを感じさせるとは。昇平を作ったのも凄い。

妹ははじめ悪い子なのかなと思ったけど、お姉ちゃんがあんな感じだと親の愛情というか構ってもらえなくてやきもち焼いてしまうよな。けど両親は全く悪くなくて、その辺の表現がよく出来ていた。最後にお姉ちゃんの手を握り、お母さんに抱きついたおチビちゃんが愛おしく感じた。決してロリコン目線ではない。
子役4人が全員演技が素晴らしかった。芦田愛菜×3+鈴木福。彼らの演技次第でだいぶ作品の評価が変わってしまってたと思う。序盤の些細な超常現象に驚いたり喜んだりする表情が特に良かった。
個人的には犬や猫に特別な感情は持ってないけど、猫好きは憎悪剥き出しで見れると思うから余計に感情移入出来るかも。
イノセンツってタイトルが作品を表せてる。子供は無垢で無邪気でだからこそ残酷で容赦無い。年齢を重ねると勝手に備わるリミッターが無いからカエルの尻に爆竹を入れられる。蝶の羽根を毟り取ろうとも思えない。大人でそんな事を出来る奴は即病院送りレベルのサイコパス認定でもいい位。

北欧の映画ってだけ知ってたからなんとなくボーダーみたいなもっと訳のわからない系の作品だと勝手に想像してたけど、わかりやすい作りと先の読めない展開で面白かった。
やきうどん

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