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海炭市叙景の六のレビュー・感想・評価

海炭市叙景(2010年製作の映画)
3.9
最初から最後まで映像も音楽もストーリーも全部暗い
登場人物全員が鬱屈した日常を送っていて
それを順繰りに見せられる、そのどれもが実にリアルで
皆どこかに希望はないのか、何とかしようともがく
見てるこっちもどこで救いのあるシーンが出てくるのかと待つわけだが
大筋には関係のない「猫よかったな~」ってのは出てくるが
根本的な解決に繋がる希望は最後まで、、、どこまでも救われないのだ

雰囲気もドキュメント風なんで見てると引き込まれます
地味でなんも解決しない映画だが不思議と妙に心に残ってる。

あとキャストが演技派揃いなのも引き込まれる要因かな
中でも朝ドラ「べっぴんさん」にも出てる谷村美月
地味な女性演じさせたら今一番じゃないか
(超褒めてます)


しかしこの作品、大晦日から年明けにかけて観たら
もの凄いブルーな元日を迎えることになるだろう

初日の出というのは一時と言えど
無条件に人を幸せにする光だと思う
けれどその光でさえ照らせない闇を抱えてしまうことが
人間が生きていく日々にはあるということか。
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