じょうだいさんの映画独白

死刑にいたる病のじょうだいさんの映画独白のレビュー・感想・評価

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
4.6
白石和彌監督の「孤狼の血 LEVEL2」からわずか9ヶ月で放たれた新作。監督の出世作である「凶悪」に近い設定を思わせながら、導かれる(ここ重要)先で見る光景はまるで違う。

今作はこれまでの派手な暴力描写よりも、じっとりとした人体破壊に重きを置き、グロさが増している。

犯罪行為を娯楽として楽しんでしまう「凶悪」とは違い、本作の犯罪行為は常識人にはあまり楽しめない。

映画的表現の巧みさはより一層磨きがかかっている。面会室の反射、雇い主との口論、その後に見える街並みのカット、フード描写、果ては犬の動きまで。

原作は、文庫化される際に「死刑にいたる病」と改題されたそう。元は「チェインドッグ」。あらゆる描写が一つの目的地に主人公と鑑賞者を誘う。

これ以上の描写は不可。ネタバレ厳禁映画。白石和彌監督の勢いは留まるところを知らない。


【YouTubeレビュー動画】
https://youtu.be/eh_bZbKnAuA