通りすがりのいがぐり

カラダ探しの通りすがりのいがぐりのレビュー・感想・評価

カラダ探し(2022年製作の映画)
4.0
ティーン向け青春ホラーの新参現る

そのゲームはクリアするまで死に続ける。そのゲームはクリアするまで1日をループする。そのゲームはカラダを集めれば終われる。そのゲームの名はカラダ探し。2011年にケータイ小説から始まり最近ではジャンププラスで漫画版の連載もあったというシリーズ。全くの予備知識がなくても大丈夫。しっかりとホラーでエンタメをしてくれてる。
訳ありな6人のループで築かれていく青春と、しっかりとホラーで怖がらせ楽しませるをモットーにして健闘しているグロと恐怖のDBD的鬼ごっこのアンバランスさはすごかったが、しっかりとそれぞれのジャンルの良さを引き出していた。甘酸っぱく子供と大人の中間地点にある6人の人間模様は輝いていたし、やけにアクロバティックに動く怪異"赤い人"との命懸けの鬼ごっこは見応えはあったしPG12指定ながら大量出血に胴体切断やらをサービスしてくれる心遣いもある。正反対なジャンルが両立する事で新しい面白さと楽しさが生まれたお陰で「こいつらヤケにノリノリだな…」という野暮なツッコミも生まれるがキラッキラな青春描写の前にはそんなモノも通用しなくなる。
とはいえ物足りなさを覚える人はいるだろうし、展開も少々荒い所はあるが
・映画館でホラー観るのが初めて
・映画館でグロいのを観るのが初めて
という方には余裕でおすすめできる初心者入門的な立ち位置になってほしい作品である。何故なら、最近見かけなくなった怖がらせて楽しませようと心意気に溢れた良質な邦画ホラーだからね。もし迷ってるなら是非観てほしい。そろそろハロウィンシーズン。一足早いお化け屋敷にどうだろうか