人の、誠実さと弱さ、愛情と冷血、そんな相反するものを佐藤二朗が一人で演じきっていてすごかった。
考えさせられる問題を多々含みつつ、予測がことごとく裏切られていく展開に、目と口を開けっ放しで観ていた感じがする。
清廉で強くて、純粋でかわいい伊東蒼の楓、見た目のスマートさの奥に腐ったものを抱える清水尋也の山内、若いのに見事だった。
品川徹さんのあんな役は初めて見た。改めて、いい役者さんだと感動。
松岡依都美のあまりにも平々凡々過ぎる担任に上手いな~と唸り、森田望智の「心から死にたがっている女」に対して感じる無力感にぞっとした。
ここまで見ごたえのある邦画は久しぶり、な気がした。