やっぱりカルカン

さがすのやっぱりカルカンのレビュー・感想・評価

さがす(2022年製作の映画)
3.5
詳しくは思い出せないが、確かネットのどこかのコミュニティを見ていたら誰かがおすすめしていたので面白そうだなと思ってメモしておいた。
普段はテレビでやってる無料の映画しか見ないけど、11ヶ月前にauからAmazonプライムの1年間無料特典をもらったので、その期限が切れるギリギリで視聴。


【ちょっとネタバレ注意】
この映画は最初の1回目が一番面白いです。
ストーリーの核心には触れていませんが、なるべく何の前情報もなしで観たい人はここから先を読まないでください。









前半にたくさん伏線が張られていて、後半に怒涛の伏線回収があるタイプの映画。結論から言うと、初めて見た時の面白さが最高で、何回も何回も繰り返し見たいタイプの映画ではない。
ただし、1回目最後まで見終わったらもう一度最初から冒頭のシーンを見ると、なんだかゾッとする。

・真面目な佐藤二郎、悪役の佐藤二郎を私は初めて見た。意外に泣けたし中々よかった。

・中盤、これまでの流れが変わって、伏線回収に入る前のシーン(山内が島に来た辺り)がやや冗長に感じた。他にも所々、テンポが悪いと感じるシーンがあった。

・母親と山内照巳(と父)の一件があったときに、娘の存在を一切感じなかった。そりゃ昼は学校に行っていて不在なのかもしれないが、父が母を介護していたシーンと、家での生活の様子にも娘が一切出てこない。
全体的にリアリティのある映画だったが、ここだけとても違和感があった。母が生きていた頃、母に(母の病気に対して)娘はどう接していたのかがとても気になった。

・見終わってからWikipediaを見ていたら、ムクドリ役の森田望智さんが2024年公開の実写版シティーハンターで槇村香役をされることに気づいた。本作ではムカつくブスの女(ごめんなさい)役だったのに、画像検索したら普通に綺麗な女優さんでびっくり。衣装やメイクや撮影の力でこんなに変わるんだなぁ…

・見終わってから本作について検索していたところ、安楽死を望む妻のSNSを夫が見たシーンは片山監督が実際に死を望む難病患者のTwitterを見て参考にしたとのこと。
そもそもこの連続殺人犯、実在の事件にとても似ている。その辺はこの記事に詳しくまとまっているので映画を観終わった方はぜひご一読を。【リンク先ネタバレあり】
https://filmaga.filmarks.com/articles/171237/3/

・あと「お父ちゃんはお酒飲まん」と言ってたけど、途中で道端に座ってタバコを3本ぐらい吸って吸い殻を靴で踏みつけてたときに持ってて、潰した缶が多分サントリーのハイボールの缶だったので昔からずっと、一滴も飲まない人という訳ではなかったと思う。

意外な展開で意表をつくストーリーではあったが、謎だった部分はラストまでにほぼ全て解明されてスッキリする。何回も見るタイプの映画ではなかったため点数は少し低めにつけた。できたら5〜6年後、ほどよく内容を忘れた頃にもう一回見てみたいと思う。