微バレしてるかもしれません。そういうのが気になる方はスルーされた方が良いです!
日本に難民として避難してきた家族の生活を描いた作品で、高校生のサーリャが主人公です。途中から家族の難民申請が認められなくなり、就労そのものがNGとなることで、生活が苦しくなり、未来にも希望が見いだせなくなっていくが…というのが大枠です。
昨今ニュースでも難民の受け入れや、文化・マナーの違いについて話題になっていますが『ふーん…まあ、よく分からないけどマナーを守って協力できる範囲ならねえ…』程度の感覚しか持っていませんでした。
正直、私のその感覚はこの映画を見ても大きく変わらなかったかな~というところ。
映画で出てくるクルド人の方々ですが、主人公が少しお世話してあげないと長期滞在は厳しそうな感覚。作中台詞でも『お姉ちゃんが甘やかしすぎるから日本語が上手くならないんじゃない?』とありましたが、その部分はありそうだなと思ってしまった。
誇りを持ったり、異文化を持ち込むのは構わないと思いますが、当然その土地に元から住んでる人がいるので、そこは難民とはいえ自分達だって折り合いを付けないと、長い目で見て分かり合えない事態になってしまうと思います。
なので、難民受け入れそのものは、まあ法律に沿って粛々とってどうしてもなるよなあと思いました(作中のお役所仕事感はどうかと思いましたが)。
関連法律の改善については、中身と設計された背景、そして何を目的にどう変えるべきかまで考えないと、何とも語りようがないかなぁ...。
本作で特に良かったのはやはり嵐莉菜さん演じる主人公のサーリャ!非常に美人で、健気で素直な高校生!!が…難民申請が通らなくなってから厳しい事態に…。それでも弱音を吐かず、どうにか頑張ろうとする姿勢は非常に良かったです!!(ちょっと危ない部分あったけど)。
また、本作に比べれば弱いですが、私も子供の頃に転勤族だったことがあり、親や周囲に振り回されるのってキツいよなあ…と共感してしまいました。特にクルド人の文化とはいえ、結婚相手は親が決めるというのは、もっとしっかり話し合いなよお父さんとガチ目に思ってしまった。
出自やルーツというのは重要かもしれませんが、それとは別で、本人が個人として確立できる考えや何かがあれば、ルーツがどうこうはそれ程論じなくて良いんじゃないかな...主人公にはそういう強さも感じましたが...このあたりは作中も有耶無耶になってた気はしました。
作中お父さんにはそれ程共感や同情は出来なかったかなあ…お父さんの取る選択も、作中の事態を考えると、正直それしかなくないかという感覚に、どうしてもなってしまいました。
そしてラストが好き!祈りの言葉を口にしながら、祈るだけではない!!『道を切り開くのはやはり自分でしかない』という受け取りを、私はしました~。
正直難民云々より、主人公が苦境で頑張る青春映画という側面を強く受け取ってしまったかな。