れん

ノースマン 導かれし復讐者のれんのレビュー・感想・評価

4.4
運命に導かれた煮えたぎる復讐の狂気がほとばしる。肉体と肉体がぶつかり合い、暴力にまみれた血なまぐさい鈍い音が、狂った咆哮が響き渡る。重々しく閉塞的な空気が漂う質感、北欧神話の世界観、神々しく美しい画作り、ロバート・エガース監督らしい持ち味と新境地を開拓するスケールの壮大さ、娯楽性を高めたスペクタクル感で今までとは異なる楽しさがある。アムレートの野性的で獰猛な残虐さ、その中にある儚い物悲しさ、知性、抜群に芸術性ある殺しのセンス。どこに居ても素晴らしい存在感を放つアニャ・テイラー=ジョイ、今作の世界観に完璧に溶け込み説得力をもたらす。ラストの舞台立て、泥臭さ、滑稽さ、かっこ良さ、全てが最高で惚れ惚れする。
れん

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