SHIHA

ラッキーのSHIHAのネタバレレビュー・内容・結末

ラッキー(2020年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

不可解な出来事が続く。
何者かが家に侵入して妻を殺しに来る。
やっつけてもその後犯人の身体が消え失せる。
夫も見ている。争った跡に血痕も残っている。
幻でも妄想でもない。幽霊とかいった類のものでもないだろう。

予測がつかない。
いったいどういうことだろう?と、この不可解な現象に、ストーリーの中でどう辻褄を合わせてくるのかと、期待いっぱいで物語を見続けました。

女性があちこちで襲われているシーンで、主人公までもが「こういうものなんだからしかたがない」とのセリフを言われちゃ、見ているこっちも不可解な出来事に納得するしか仕方がない。もう笑うしかない。

「侵入者を倒した後に目を離さず、すぐに仮面をはぎとれよ!」学習能力の全くない主人公に心の中でイライラしながら見てたけど、なるほどそこがオチだからなかなか取れなかったわけね(笑)彼女はまだ社会の差別を受け入れられなかったから、仮面をとることができなかったってことかな。
亭主はそれらを十分に納得していて、妻に襲い掛かる理不尽な社会の困難から妻を守ろうとしている存在なのだなぁと。

この映画のテーマは、
女の人は男社会で生きていく中で、必然的に次々と困難が襲ってきます。
でも、こういうものなのだから仕方がないとして、女は戦うしかない。
そんな中で戦いながらもなんとか生き残れている私はラッキーなのか?
・・・て感じかな。

すなわち男尊女卑社会を皮肉った譬え話でした。
意味不明な出来事に「こういうものだから仕方がない」というセリフがとても素晴らしくて、とても共感できて、深く心に刺さりました。
SHIHA

SHIHA