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シーフォーミーのMasterYuのレビュー・感想・評価

シーフォーミー(2021年製作の映画)
2.9
オリンピックを目指せるほどの実力を持ったアルペンスキー選手であったソフィは、突然の病気で視力を失ってしまった。
失意の中、自分の力で生活しようとする彼女は、母親の心配をよそに、留守中の猫の世話をする高額なアルバイトのために、単身で雪に覆われた山間部の邸宅へ向かう。
楽な仕事かと思われたが、夜中にその邸宅に強盗集団が侵入してきてソフィを窮地に追い込むのだった・・・。

タイトルの「シー・フォー・ミー」というのは劇中使われる視覚障害者サポートアプリの名前で、主人公のソフィがそのアプリを起動して、たまたま繋がったボランティアに助けを求めるわけですが、そのボランティアのケリーが元軍人でFPSゲーマーというところがポイント。
一人称視点のシューティングゲームよろしく、ソフィのスマホのカメラ映像を観ながらケリーが指示を出し敵を倒していく流れは面白い。ただゲームとは違ってソフィが自分勝手な行動をしてしまうので思うようにはいかない感じが、いいバランスになっている気がします。
しかしながらカメラワーク、演出はイマイチで、クライマックスなんかは、観ている側にも目が見えないソフィと同じ感覚をイメージさせたい意図があってか、暗がりの中の攻防となって盛り上がりに欠ける感じでした。


視力を失ったソフィを演じるスカイラー・ダベンポートは、自身も片麻痺性偏頭痛の発作で視力を喪失しているそうです。
目が見えない俳優、歩けない俳優、或いはゲイやレズの俳優を、その役柄に使うのが雇用の面で大事であるという流れがありますが、そもそも俳優というのは自分ではない役を演じるところに魅力があると思うので、あまりそちらの方向に過剰に反応して配役するのもどうなんだろうか?と思ったりしたのでした。
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