秋のコーラ

ブラック・フォンの秋のコーラのレビュー・感想・評価

ブラック・フォン(2022年製作の映画)
3.5
少年の成長譚としては面白かったが、その他の要素が悉く中途半端
主人公が誘拐されるまではかなり楽しめたが、誘拐されてからが正直退屈に感じ、このジャンルにしてはかなりガッカリが強かったです。
あと、日本の宣伝が酷すぎます。










⚠️以下ネタバレ










ホラー・スリラーのジャンルで制作側の意図を推察する、という野暮なことはしたくないが、本作に関しては流石に説明不足が否めなかった
自分は、主人公が父親からの抑圧に耐える日常からの、誘拐犯を倒すことによる解放を描いていると考えた
が、それにしては諸々の描写がやはりしっくり来ない

序盤でかなり家族の描写に時間を割いていて、その部分は面白かった。しかし、そこの部分があまり終盤で活きてこない
妹の能力も、意味ありげに描いていたのに結局あまり意味が無かった
あと、恐らくあの父親ならこの後もDVは止めないのでは?(父親が母親の自死を嘆いているなら、子供たちがこのまま精神を病まないとは限らない)

また、これ見よがしに『悪魔のいけにえ』の名前出して、イーサン・ホークのお面もレザーフェイスオマージュまんまなので、自分は勝手に誘拐された子供食ってるのかと思ったら、ただ殺しているだけという
百歩譲って、犯人の動機不明はまだしても、本作のオカルト要素は誘拐犯のトリックだった…ということかと思ったら、ストレートなオカルトで笑った(これは日本の宣伝も悪いと思う)
それなら、主人公に死者と会話出来る能力があるかもしれない、ということを序盤で示唆しておくべきでは
ラストで誘拐犯と物理対決になる下りは盛り上がるのだが、これまでの超常的な描写と上手く噛み合っていないように感じ、そこまでハマらなかった
また、主人公の、大人の抑圧からの解放を描くなら、少年5人を巻き込む物語なのも納得行かない

あと、スティーブン・キングの諸作からの引用が主張強すぎて、そこも観賞のネックだった
秋のコーラ

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