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デューン 砂の惑星PART2の千年女優のレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
3.5
人類が宇宙へ進出し、心身の力を増幅するスパイス「メランジ」が高い価値持つ西暦10191年。宇宙皇帝からメランジ生む砂の惑星デューンの統治を任されたアトレイデス家の後継者で、渦巻く陰謀によって因縁あるハルコンネン家に襲われたポールが、超能力一族の母と地民フレメンとの交友から伝説の救世主の道を歩む様を描くSF映画です。

過去の経緯もあって映画化は困難と称されていたフランク・ハーバートによるSF大河小説のクラシックをドゥニ・ヴィルヌーヴの監督で映画化するフランチャイズの第二弾で、些か唐突感もあった序章ながら上々の成果を収めた前作のキャストとスタッフが続投して二億ドル近いビッグバジェットの期待に応える二作連続での成功へ導きました。

原作の壮大な世界観をひたむきに再現するシリーズの美点を継続し、ひとたび道を誤ればただ気取ったものになってしまいそうなところをキャストと映像の持つ説得力を前面に押し出して圧倒します。リンチ版とは真逆のアプローチながらヴィルヌーヴ自身の作風へと手繰り寄せて、格調高い「神話」をSF未来世界を舞台に作り上げた一作です。
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